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2019年 07月 29日 ( 1 )



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前回からの続き。
**前世の記録 No14-1**


さて、約束の年齢に近づくとあなたはポルトガルの海軍省から正式な辞令を受けます。
乗艦は喜望峰を回りインド洋を目指す艦でした。

船は新造船で何処もピカピカです。
この船にあなたは砲兵として乗り込む事となります。

実際の航海までの半年間この艦に搭載される新式の大砲の訓練を何度となく受けその能力を買われ砲術長付きの下士官の辞令を受ける事となります。

さて、いよいよ出航の時を迎えます。
港にはあなたの家族達や友人などが詰めかけます。父親や弟達の誇らしげな顔に見送られ船は一路西アジアを目指します。

出航して直ぐは眠れない程の興奮と喜びに満たされます。

恐らくあなたは軍艦であろうが商船であろうがそれにはこだわりなど無く、見知らぬ異国、しかも探検と言う意識での航海はあなたの冒険心をいやが上にも高めた事でしょう。

陸であろうと海であろうと一所に留まる生活や、退屈な毎日は苦痛を感じる事ではなかったでしょうか。

この船は喜望峰を回りインド洋を回周し2年程で一度ポルトガルに帰る事になっていました。
この航海はあなたを本当の海の男に仕立てました。

しかしやはり軍艦ですので規律と礼節を持った生活で少し堅苦しさは有りましたが「外洋」経験の夢は大いに満足させられた筈です。

幸いな事にあなたが懸念した海上戦闘も無く、訓練以外で砲撃をする事は無く軍事的には非常に安全な航海でした。
しかしこの時代、船乗りにとって一番い恐れられていた壊血病が乗員を苦しめます。

おなたも罹患する事になりましたが、それを救ったのが今のパキスタン辺りだと思います。
その地に赴いた時現地の人から差し出されたスパイス類のいずれかにより船の患者は救われる事となります。

またこの地に上陸すると、あなたは本当の異文化を知る事となります。
特にあなたの興味を引いたのが「仏教」でした。

寄港地に大きな仏教寺院が有りその宿坊があなた方の宿泊施設として提供された事から初めて仏教寺院と仏教思想を知る事となりました。

しかし艦に乗艦していたバチカン派遣の宣教師からは、出来る限り異教徒への接触は避ける様にとの言い付けが有りました。
あなたはそれを上手に逃れ、寺院での僧達の修行などを興味深く見聞きした様です。

面白い事なのですが、その地に恐らく日本の侍と思われる一行が居たのです。
戦国以降かと思いますがキリシタン大名の命を受けヨーロッパに向かう使節団ではないかと思います。

ここでもあなたは今まで知る事も無かったアジア文化の一端を知る事となります。

日本人の中の一人と懇意にする事があった様で、あなたは彼から小刀(小柄)をもらった様です。
この小刀は後にあなたの父親に送られる事になり、その後家宝の様に大切にされました。

この航海も大きな試練も無く当初の予定を2年延ばしての帰国となりました。
帰って来たリスボンの街はあなたが出航した時とやや様子が異なっている印象でした。
街の一角が焼けていたり、壊れている建物も有ります。

海軍省への報告が済み、煩雑な書類にサインを済ますと実家に戻ります。
そこで初めて地域での内乱があった事を知ります。
どうも東インド会社とのもめ事で陸と海上との砲撃戦があった様でした。

これは東インド会社による航路略奪の謀略が原因だったようです。


この後も4回の乗船を経験し50代半ばでこの人生を終える事となりました。
船乗りと言う事も有り生涯を独身で過ごします。


この時代関わられた父親と弟が今生あなたの近くに転生しています。
父親だった方は大変に律義な方で、上からの命を素直に受け止める方で、弟もその傾向が有り二人共にどちらかと言うと体制には反抗的な印象が有ります。

この人生はあなたの冒険心を思いの他満足させた良い時代では無かったかと思います。

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以上、今回の記録でした。








by farmemory | 2019-07-29 00:00 | ・前世のお話 | Comments(0)