**前世の記録 No.009(後半)**

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前回からの続きです。


あなたは家人が門を出る時に、弟が帰らない気がして急に狼狽える思いに駆られます。

家人は家を出て前線に向かいました。
屋敷の中は女達と警護の侍が十数名だけです。
今屋敷を包囲され火矢でもいかけられればひとたまりも無く陥落してしまう状況です。

前線は火の勢いや声などから数百メートル程度の近さなのではないかと思います。
しかし戦は激しさを益し、収束するのに一晩かかってしまいます。

その戦いは優劣がつかず、双方に多大な犠牲を出し引き分けの形でひとまず決着しました。
日が昇りきった頃皆が傷だらけで帰って来ました。

そしてあなたが案じた通り、弟はこの初陣で命を落としてしまいます。
数名の兵に抱えられ、庭に安置されるとあなたと母親が裸足のまま転がり落ちる様に庭にでて弟の亡骸(なきがら)に取りすがります。

兄は直ぐ側に立ったまま口を叩く閉ざしながら嗚咽の声を漏らしています。

一時亡骸にすがり討ち死にした弟に思いを馳せましたが、やはり武家の娘だけあって取り乱す事も無く彼の死を受け入れています。

この弟だった魂の方が今生あなたのお近くに転生されて来ています。
男性であなたより年下の方です。
聡明な方で、どちらかと言うと戦より文に秀でた才能をお持ちの様です。

さて、この戦の日々はこの日だけで終わるモノではありませんでした。
あなたの生涯を通じ京の都は争乱の中にあり、焼けた屋敷や寺社は数知れず
正に世紀末の惨状とも言える光景が広がります。

この戦の最中、実はあなたは輿入(嫁入り)が決まっていました。
嫁ぎ先はやはり京都の武家で、遠い縁故のある家です。

幼い頃からの顔見知りであり、既に許嫁(いいなずけ)として過ごして来た相手でした。しかし悲劇はあなたを更に襲います。

弟の死から半年も立たない頃、彼がやはり鞍馬山の戦いで討ち死にしてしまいます。
その時彼の年齢は26歳程ではないかと思います。

相思相愛であった為にあなたの嘆きはいかばかりであったか想像に難くありません。

この後あなたはこの乱世に希望をなくし、俗世を捨て仏門に入る事を決めます。
親兄弟は当初反対をしますがあなたの想いを汲み許す事になります。

あなたが身を寄せた寺は本願寺に近い尼僧院だろうと思います。
そこには同じ様に夫や子、伴侶となる相手を無くした武家の女達が数多く身を寄せています。

想いを同じくする人々にあなたの心は癒される事にはなりました。

でもその悲痛から生涯逃れる事は出来ず晩年になり、この人生を終える日が近くなった頃ようやく諸行無常を悟り、人の死は魂の死ではなく、悠久に続く魂の旅である事を実感する事が出来ました。

その時にこの人生での苦悩から離脱出来た様です。
死に際しあなたは、言わば覚醒する事が出来たのでその人生を意味のあるものとして終える事が出来た様です。

生涯男性を知る事無く終える人生でしたが、覚醒に至ることができた事で、添い遂げることは叶わなかった相手への悲しみを超える事が出来たのではないかと思います。

享年は50歳頃、この時代であれば天寿を全うした事になるかもしれません。










by farmemory | 2018-12-09 00:00 | ・前世のお話 | Trackback | Comments(0)

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